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「村で一番強い男」


昔々、ある村に、家ほどもある大男が住んでいた。なんでもこの村で一番強い男だそうで、いつも村の中を威張りながら歩いていた。また、一本の木と同じくらいの大刀を持ち歩いており、なにかにつけてそれを振り回して暴れ、村人たちを困らせていた。

そこである日、一人のおじいさんが大男の家をたずねた。小さな山ほどにもなりそうなその家の戸を開けて、大男は姿を現した。
「なんだ、じいさん。この俺に一体なんの用だ」
「お前はこの村で一番強い男だそうじゃが、本当にこの村で一番強いのかを確かめに来たのじゃ」
「確かめに来た?おもしろい、この村で俺が一番強いということを、わからせてやろうじゃないか」
大男はそう言って、お気に入りの大刀を腰から引き抜いた。
「その前に、一つわしから頼みがある」
「なんだ、じいさん」
「おまえさんの持っているその刀、それを折ってみなされ。村で一番強いなら、刀よりも強いということじゃろう」
大男はそれを聞いて目を丸くした。刀や木を折ったことはあるが、自分が気に入っている大刀を折るなんてとんでもない。大男は迷ったあげく、情けない顔をしておじいさんに降参した。おじいさんはそれを見て笑った。
「では、この村で一番強いのは、お前さんではなくその刀ということじゃな」
「まいったよ。あんたはこの村で一番頭のいいじいさんだ」

それから大男とおじいさんは仲良くなり、村で暴れることもなくなったそうな。
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