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人間は言葉を扱う唯一の動物です。
イルカなどの生き物は、いくつかの感情や信号でコミュニケーションできますが、言葉と言えるほど多様なものではありません。
逆にオウムなどは言葉を発する事はできますが、その意味をすべて理解できているとは言えません。
言葉とはコミュニケーション手段の一つに過ぎません。しかし、犬や猫の鳴き声に比べれば、その便利さや明確さはずば抜けています。
ではここで、原始人の例を使い、言葉というのは基本的にどんな性質を持っているかを見てみましょう。




原始人Aはある日「ガオー」と鳴く恐ろしい動物を見た。原始人Aは逃げ帰り、仲間に「ガオー、ガオー」と伝えた。




また、あまり良い例ではないですが、原爆を「ピカドン」と呼ぶ事があるように、名前を知らないものに直感的に名前を付ける場合、その物の発する音などをまねてつけられる事が多いものです。
幼児が犬を指すとき「犬」と言うよりも「ワンワン」と言って指す方が、幼児自身にとっても分かりやすいからそう言うのでしょう。
上の原始人の例は、原始人Aが新しい言葉を作った瞬間です。「言葉」と呼ぶには少々違和感を感じるかもしれませんが、他にも海に行き山に行き、新しいものを見つけるたびにこの例と同じ事を繰り返し、やがて言語というものが成り立つのです。
このように、言葉とは人間が造るもの、少なくとも造りうるものです。人間が誕生したときすでにすべての言葉が整備されていたわけではありません。
言葉や言語とは、人がその場で思いついた単語を1つずつ積み重ねて築かれるものです。そして言葉が増えた事によって、物事を考察する能力が付きます。
例えば原始人が「ガオー」と「自分たち」の関係を考えるとき、言葉として仲間に伝える事で、仲間とともに考える事ができます。そして、原始人Aがガオーの強さを考え、原始人Bがガオーと戦う事を考え、原始人Cがガオーの肉の事を考えたとすれば、実際にガオーに会った時の対応は良い方向に変わるでしょう。
やはり、言葉は便利なのです。

今回は、言葉の大まかな成り立ちについて述べました。しかし、オリジン法による「言葉」や「言語」の研究はさらに進んでいます。当たり前なのに気付かない、言葉というものの秘密を、次回はさらに解き明かしていきたいと思います。


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